最終更新日時:2021-11-17 (水) 15:59:32

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セイン島北部海域、ドール研究所。
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プリンツ・オイゲン
「リュッツオウにも、そんなに厳しいわけ?」
アドミラル・ヒッパー
「あの子はまだ子どもだ」
プリンツ・オイゲン
「あたしだって、あんたの妹よ」
アドミラル・ヒッパー
「そうだな。だが手術をするのは私ではない」
「慰めてほしいなら、リュッツオウにさせてやってるように、猫を撫でさせてやってもいいぞ」
プリンツ・オイゲン
「いらない。あのモサモサの毛を見ただけでくしゃみが出そう。あたしたぶん、嗅覚の設計が悪いのね」
「そういえば、ブリュッヒャーは?」
アドミラル・ヒッパー
「お前、ブリュッヒャーは西側戦線に言行ったと言ってなかったか?」
プリンツ・オイゲン
「でもツェッペリンの戦闘記録には映ってなかった」
「後でもう一度見てみよう。おかしいな、あたしが見落とすはずないんだけど」
アドミラル・ヒッパー
「ぼーっとして、隊から離れたのかもしれないぞ」
プリンツ・オイゲン
「はは、そうかもね。彼女が間違える可能性は、あたしより高いから」
「行こう。新しい足のパーツを試してみたいから、散歩に付き合ってよ」
「新しく登録されたファイルによれば、ブリュッヒャーは確かに出征名簿に載ってる」
「ほら見て。ブリュッヒャー、お姉ちゃん、ライプツィヒ、ケーニヒスベルク、あたし、そしてツェッペリン。臨時登録されたドールは、あたしたち六人だけ」
アドミラル・ヒッパー
「そんなファイル、勝手に閲覧しないほうがいいぞ」
プリンツ・オイゲン
「お姉ちゃんに止められなくても、権限不足ならシステムにシャットアウトされるはずよ」
アドミラル・ヒッパー
「ここは占領したばかりだから、システム権限がまだ設定されていないだけかもしれないぞ」
プリンツ・オイゲン
「もういいでしょ。ドールの設計に秘密なんてないよ」
「数年前、ドールはもう民営化されたんでしょ?ドールのデータはウェブサイトにも全部載ってる。誰だって見られるのよ」
アドミラル・ヒッパー
「でもこれは民営化されたドールのデータとは違う」
「私は先に出る。こんなもの見たくないし、おまえの巻き添えもごめんだ」
プリンツ・オイゲン
「サンキュ、入口を見張ってくれるつもりなんでしょ。そんなこと必要ないけど」
「さ~てと。それじゃ、グラーフ・ツェッペリンのファイルをご拝見。そんなにすごいのかしら――」
プリンツ・オイゲンがツェッペリンのファイルを呼び出そうとすると、モニターに警告文が映し出された。
プリンツ・オイゲン
「――閲覧禁止?彼女のファイルだけ暗号化されてるの?」
「ん?これは……」
「「Sチーム専用サンプル」って、どういう意味?」

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